time#3

This Time Around: Live in Tokyo
■This Time Around / Deep Purple
ディヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズという2人の歌えるメンバーを迎えた3期以降のディープ・パープルは、一般的には彼らと非ブルーズ派のリッチー・ブラックモアの対立が語れるが、オーソドックスなR&B志向のカヴァーデイルとソウル〜ファンク志向のヒューズも確執があった。特にヒューズはvoを取るという条件が契約にあったにもかかわらず、アルバムではリードを取る曲が1曲に抑えられるなど、かなりストレスを感じていたようで、それがステージは爆発し、かなりの暴走気味だった。4期の「Come Taste The Band」('75)は近年やっと評価の対象になってきたものだけど、ここでヒューズが一人で歌うのがこの"This Time Around"。ジョン・ロードのpianoとsynをバックにしたバラードで、ヒューズ自身のアイドルだったスティーヴィー・ワンダーを意識したと言われている(というかMCで本人がそう言っている)が、それはなんか違うと思う。後半は"Ode To G"というインスト(ちなみにGとはジョージ・ガーシュイン)で、トミー・ボーリンの熱いgが聞かれるファンキーなロック・インスト。ステージでは更にこの後長いボーリンのソロにつながって退屈(あくまでもバンドを従えてのソロならいいが、良くありがちなギタリストが一人で弾きまくる)。4期のライヴは悪名高い(というか僕の中ではこれがスタンダードとなってるのだけど)「Last Concert In Japan」(完全版は「This Time Around Live In Tokyo」)、「Live In California 1976」があるが、腕を怪我してようが(本当はドラッグといわれる)してなかろうがあまり変わらない気もする。基本的にボーリンはマルチダビングによるスタジオ録音向きの人だ。
        おまけ
かつて「Rises Over Japan」のタイトルでソフト化された75年の来日公演の映像。当時は2期の映像が発掘されてなかったので、この4期の映像でお茶を濁されてて、4期のファンとしても不本意だった。少なくとも4期のレパートリーの方が出来はいい。