that#3

HASTEN DOWN THE WIND
■That'll Be The Day / Linda Ronstadt
僕の初リンダは76年の「Hasten Down The Wind」(風にさらわれた恋)だった。その頃日本の洋楽シーンではポスト・オリヴィア・ニュートン・ジョンは誰か?という話題で持ちきりで、結局誰になったのかはわからなかったけど、78年ごろにはポスト・リンダは?というのにすり替わっていたから、リンダがその座に座ったのかも。とは言ってもあくまでもポップ・カントリー系の女性シンガーという扱いで、全米的な人気、及び日本でもウエスト・コーストの歌姫として幅広い音楽ファンに認知されるのは、79年の「Living In The USA」以降だろう。エリオット・イーサンの有名なジャケットからしてイメージが膨らむけど、ピーター・アッシャーのprodのもと他ジャンルの選曲がされている。新進気鋭(という言葉のイメージとは程遠い)のssw、カーラ・ボノフの作品を3曲、ライ・クーダーウォーレン・ジヴォン、ウィリー・ネルソン、トレイシー・ネルソンなどの曲に混じって、いつも1曲は入る60'sのオールディーズが今回はバディ・ホリーの"That'll Be The Day"だった。当時もちろんバディ・ホリーのことなんか知る由もなかったけど、ラジオから流れてきたこの曲のカッコよさには参った。アンドリュー・ゴールドのパンチの効いたgもそうだけど、シンプルにまとめあっという間に終わってしまう爽快さも気に入ったので、このLPを買ったのだけど、冒頭の"Lose Again"のドラマティックな感じにまたやられ、ロマンティックなタイトル曲で涙するありさま。


スタジオでのレコーディング風景

76年のロンドン公演

77年のアトランタ公演。いきなりドン・グロルニック(p)のアップで始まる。