女性名#10

アメリカン・ヒーロー(紙ジャケット仕様)
■Anastasia / Elliot Murphy
RCA時代の作品がCD化されるというニュースが伝わってきたエリオット・マーフィーの77年作「Just A Story From America」はCBSに移籍してのもの(結果的にこれだけに終わった)。意外にもロンドン録音で、フィル・コリンズ(ds/ジェネシス)、デイヴ・マーキー(b/後にクラプトン・バンド)、ピーター・オクセンデイル(kb)らをバックにしたもので、それまでのNYの孤独と夜の闇を浮かび上がらせる、マーフィーの作風とは若干異なる。リアル・タイムで接したわけではないけど、これや前作「Night Lights」は、一時期熱心に聞いてた記憶がある。本作ではまず、"Drive All Night"(日本のルースターズもカヴァー)の疾走するロックンロールにシビレ、憂いを含んだバラード"Anastasia"に涙した記憶がある。アナスターシア(正確にはアナスタージャ)と言うロシア風の名前は、例えば高橋研の同名の曲を思い出すが、これは帝国時代のロシア王妃を歌ったものらしい。なんともアル・スチュワート的な題材だ。大甘でノスタルジックなバラード"Rock Ballard"(ミック・テイラーがgソロを弾く)もいい。