good#3

Yessongs
■I've Seen Good Old People / Yes
昨日「チューブラー・ベルズ」のところで「幻想的」というキーワードの事を少し書いたけど、「幻想」とか「幻想的」というのは、一昔前のロックの一つの重要なテーマで、現実でない非日常の物語を、ファンタジーの形を借りて再現した、とりわけプログレッシヴ・ロックの世界では常套的に使われた手段で、そういうものが新鮮に感じた十代だった当時の僕は、こういうものに転がりまくった(ゲーム、映画などで日常的にファンタジーがあふれてる昨今の十代はおそらくこう感じることはないだろうけど)。何しろ現実的でない話、映像も当時はほとんどないので、文学(エンターテイメント性あふれるものは児童文学であり、あとはシュールレアリズムの世界、もしくはホラー(と言う言葉も使われてなかった、当時の言葉で言うと「幻想と怪奇」)系作家の主流ではない作品)や音楽から垣間見たイメージを肥大させまくって楽しんでいたのだけど、プログレの連中の中でも、特にそういう傾向が強かったのはジェネシスで、ファンタジーに耽溺しまくったスタイルには、逆に僕も引いてしまった部分があった。イエスの場合、ロジャー・ディーンの描く世界から来る部分は大きかったが、ライヴ映像を見ると、メンバーの衣装からしてもろそっち系だった。
ティーヴ・ハウが参加した3枚目の「Yes Album」からの"I've Seen Good Old People"は、前半がフォーキーな出来で、後半エレクトリックなジャムとなるが、なかなか楽しい。特に前半は、牧歌的と評された"And You And I"のパートにも通じる部分があって、甘いとは思いつつ、そういう音楽を聞かなくなって久しい僕を再び転がそうとするのだ。

73年のYessongsの頃の映像