speak#3

雑魚
■Speak Your Mind / Marc Benno
マーク・ベノは、LAスワンプというと名前が出てくることが多い人で、リオン・ラッセルとのアサイラムクワイアで知られる人。2〜3年前に突然来日したのにはビックリした。何枚かA&MにLPがあるが、代表作はやはり70年の2枚目「雑魚」(「稚魚」と間違えたりすることが多い)。バーズのクラレンス・ホワイト、ジェシエド・デイヴィス、ジェリー・マギー、ボビー・ウーマックという名だたるgtrが参加しているが、他にもカール・レイドル(b)、ジム・ケルトナー(ds)、ジェリー・シェフ(b)、ゲイリー・イリングワース(kb)らが参加。
A&Mというレーベルは一般的には、ロジャー・ニコルスバート・バカラックなどのA&Mサウンドといわれるソフトロック(それを発展させたのはカーペンターズのMOR)で語られるけど、初期のリタ・クーリッジやロン・デイヴィーズ、ジョー・コッカー、そしてベノとLA産のスワンプサウンドを看板にしていた時期もあった。泣きのバラード"Speak Your Mind"(gはジェシ)は、これを聞き始めてからベストトラックであることは変わらない。実に日本的な湿り気があるナンバーだ。他には"Stone Cottage"のようなストレートなブルーズ(ジェシのスライドをフィーチャー)もあれば、爽やかな印象の"Franny"(リタ・クーリッジ、クライディー・キング、ヴェネッタ・フィールズのおなじみのLAスワンプコーラス隊が参加、gはウーマック)、これらはどれもA面で、A面とB面の落差が大きい1枚でもある(聞き倒したA面に比べてB面はあまりなじみがない(^^;)。そんな中"Baby I Love You"と"Baby I Like You"のジャム、ブルージーな"Don't Let The Sun Go Down"がまあまあ。prodはデイヴィッド・アンダール。