mind#3


■Cross My Mind / Ben Atkins
スタックスというレーベルは基本的に黒人R&Bのレーベルだけど、傍流レーベルを入れるとちらほらと白人のアーティストが居ることは居る。ベン・アトキンスの71年盤「Patchouli」は、マッスル・ショールズ録音の白人スワンプのLPで、スタックス傘下のエンタープライズからのリリース。デイヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(kb)、ウェイン・パーキンス(g)、ロジャー・ホーキンス(ds)らのお馴染みが手堅いバックをつけるこの作品は97年にCD化されるまで存在も知らなかったけど、何よりも排便中のアトキンスのショットを入れた内ジャケが一部では知られていた1枚だったらしい。バックの演奏以上にジーニー・グリーン以下のゴスペル風コーラスも印象的。曲はほとんどカヴァーだが、有名曲は少なくprodのボビー・マニュエルが絡むものが多い。唯一デニス・ランバート=ブライン・ポッター作の"Cross My Mind"は、ランバートのソロにも収められた泣きの名曲でメロディーがいい。初期のイーグルスがたまにやるラフなロックンロール風の"Solid Ground"から、ライトニン・ホプキンスのブルーズのカヴァー"Smokestack Lightnin'"、ゴスペル風の泣きが入った"Holding On To Friends"まで、幅広い。