rock#2

Fandango
■Jailhouse Rock / Z Z Top

粋な看守の計らいで、監獄でパーティーがあったとさ
監獄バンドがジャンプすりゃ、石の壁さえスウィングする
レッツ・ロック、みんなでレッツ・ロック・イエー
あさみんなで一緒に踊ろよ、監獄ロック

これは漣健児が訳し、平尾昌晃が歌った"監獄ロック"の日本語詞ですが、僕よりも一世代前であれば、こうした翻訳された和製ポップスや、日本でいうところの「ロカビリー」への想いもまた違ってきたのでしょうが、どうしてもカッコ悪いもの、オヤジが年甲斐もなく若作りして歌う「青春のメロディー」みたいなイメージがあります。この"監獄ロック"は、エルヴィス・プレスリーの57年の同名映画の主題歌で、#1ヒットなんですが、日本では平尾のカヴァーもあって絶大な支持を得てます。リーバー&ストーラーのペンによるナンバーですが、前年にヒットしたリトル・リチャードの"Long Tall Sally"に似ています。

いささか下世話な感じのメロディーですが、69年にジェフ・ベック・グループ*1が「Beck Ola」でカヴァー。そして75年にテキサス出身のZ Z トップが4枚目の「Fandango」で取り上げています。
Z Z トップは、ビリー・ギボンズ(g,vo)、ダスティ・ヒル(b.vo)、フランク・ベアード(ds)のパワー・トリオで、いわゆるサザンロックなイメージよりも、フォガットやステイタス・クオーに通じるハード・ブギー・バンドに近いイメージです。ステージには動物が登場したりと、なかなかエキサイティングなけれん味たっぷりのステージを展開していたようで、この「Fandango」のライヴサイドでもなかなかラフ&ノイジーです。そのライヴサイドで、この"Jailhouse Rock""はカヴァーされていて、ちょっと異色ですが、すぐさま"Backdoor Medley"のなだれ込むイントロ代わりの印象もあります。

正直言うとこの曲そのものにはあまり魅力を感じないのですが、クィーンもステージで取り上げてたり

ロバート・プラント主導の趣味趣味バンド、ハニードリッパーズがやってたり(これはわかる)、おまけにスージー・クアトロの75年の日本でのライヴもあったり

意外な認知度にビックリであります。



 

*1:ロッド・スチュワートをフィーチャーした第1期