time#2

童夢(紙ジャケット)
■One More Time To Live / The Moody Blues
ムーディー・ブルーズって、シンフォニックな叙情派のプログレというイメージがあって、なんとなくずっと聞かずにいましたが、何の気なしに買った(安かった)、71年の「Every Good Boy Deserves Favour」(Threshold)を聞いて、これはプログレではないなあ、と思った次第です。ある人がmellotronの入ったブリティッシュ・ポップというような言い方をしてましたが、それがわかる気もします。
デニー・レインのいたR&B時代*1から、ジャスティン・ヘイワード(g,vo)、ジョン・ロッジ(b,vo)の加入で、グレアム・エッジ(ds)、レイ・トーマス(fl,vo)、マイク・ピンダー(kb,vo)の5人組となってからはオーケストラとの共演など、シンフォニックなイメージが付いていますし、もちろんそういう曲もありますが、実は意外とロックンロールだったのだなあ、というのが本音です。

レココレ誌11月号がムーディーズの特集だそうで、期待したいです。やはり彼らはキングから出ていた頃が印象深いです。70'sの後半でしょうか、廉価盤ブームに乗ってThreshold時代の作品が一斉に再発された事がありましたが、オーケストラとの共演に関して今も昔もマイナスなイメージしか持っていない僕は、格調高いジャケットが気になりつつ、結局どれにも手を出せませんでした。よって初ムーディーズは、かの有名な"Nights In White Satins"ではなく、78年の再結成アルバム「Octave」からの何曲かでした。

Octave」からのファーストシングルで、僕は日曜11時からやっていた小林克也さんDJのチャート番組(キャッシュ・ボックス誌のチャートを国際電話インタヴューで、どこよりも早く紹介というのが売りだった)「ナガオカ・ワールド・ミュージック」で初めて聞いた覚えです。

さて「童夢」という邦題のこのアルバムは7枚目で、UK#1,US#2と高い評価を得ています。シングルヒットした"The Story In Your Eyes"の流れるような旋律は、なかなか素晴らしいロックンロールです。トーマスのfluteで始まる牧歌的な"One More Time To Live"は、フォーキーなイメージにmellotronが重なる愛らしいメロディーのナンバーで、この2曲は今でも人気曲だそう。なんか好きになれそうな聞いたことのないバンドを見つけたときのうれしげな感じがあります。安いし。

*1:当然"Go Now"位しか知りません