magic#3

Caravan
■Magic Man / Caravan
カンタベリー・サークルと呼ばれる集団があります。イギリス南東部の地方都市、カンタベリー周辺を拠点とするミュージシャンの集団で、60's末にワイルド・フラワーズから派生した、ソフト・マシーンとキャラヴァンを中心に、メンバーと交流があるミュージシャンがファミリー・トゥリーの様に広がっています。ゴング、ハットフィールド&ザ・ノース、ナショナル・ヘルス、マッチング・モウル、エッグ、デリヴァリーetc…
音楽的共通項はジャズロックがベースとなっている点ですが、キャラヴァンに限っては、そういう面がやや薄く、逆にポップなメロディアスな面が強調されています。ワイルド・フラワーズの音源は、後にVoiceprintレーベルから発掘音源が出ましたが、もろサイケデリックでした。そこからまずデイヴィッド・アレン、ロバート・ワイアット、ケヴィン・エアーズがマイク・ラトリッジとマシーンを結成。残ったメンバーがキャラヴァンとなり、67年にVerveと契約しています。メンバーはパイ・ヘイスティングス(g,vo)、リチャード・コフラン(ds)、リチャード・シンクレア(b,vo)、そしてデイヴ・シンクレア(kb)。
Verveから出たファーストは80'sに入って日本盤LPも出ましたが、長くは廃盤状態で入手困難だった1枚でした。オレンジ色のジャケットが印象的な1枚で才気あふれるサイケデリック・バンドといった印象です。とりわけシングルになった"Places Of My Own"と"Magic Man"は、弱いけど哀愁あふれるvoとデイヴのorgan(この頃はまだ歪ませてません)が印象的です。

”Magic Man”

”Places Of My Own”
このあとDeccaへ移籍して、キャラヴァンは本格的にステップアップしてゆくのですが、変拍子の長い曲をこなす演奏力も着実にアップしています。その初期の代表作は「The Land Of Grey And Pink」です。