You Fool No One / Deep Purple

Burn
〜noつながり
73年にイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァーが脱退すると、グレン・ヒューズ(元トラピーズ)、デヴィッド・カヴァーデイルを加え新たなスタートを切ったパープルだが、新加入の2人が思った以上にブラックフィーリングを持っていたために、バンド内で混乱が起きる。ロッド・エヴァンスもギランもブラック・ミュージック愛好家というには、程遠かったが、今度の2人は、レイ・チャールズスティーヴィー・ワンダーをアイドルに挙げる、若手で、ジョン・ロード以上に、リッチー・ブラックモアは困惑したろう。
74年の「Burn」はタイトル曲が、メロディの起伏が明確で、わかりやすいハードロックとして日本でも有名。でもイントロのgにはなんとなく笑ってしまう。新参者は遠慮したのか、予想以上に我を抑えてる感じ。カヴァーデイルの十八番となる”Mistreated”では、汗が飛び散るような湿度を持ったブルーズを披露。これは従来のパープルになかった色だ。ヒューズの方はあくまでもセカンド・voとして合いの手を入れる程度だが、”Smoke On The Water”のパロディのような”Might Just Take Your Life”ではファンキーな個性をアピール。この曲はgとorgが張り合う従来型のパープルのナンバーで、これに毛色の違う2人のvoの存在が絡みカッコいい。You Fool No Oneは当時日本盤LPのライナーで水上はる子女史が、レゲエのリズムととんちんかんな事を書いてるが、珍しくブラックモアがリズム・カッティングをしているナンバー(ソロもあるが)。ライヴでは長尺のものとなった。LPには”A200”という奇妙なインスト(プログレ風味)もあって、散漫な印象もうけるが、まだ半数以上がハードロックにはかかっている。次の「Stormbringer」ではハードロックよりもファンキーなナンバーにウエイトが置かれてて、ハードロックファンには不評だったが、個人的には大傑作だと思う。