Let It Roll / Ashton,Gardner+Dyke

Worst of
〜letつながり
トニー・アシュトンの名前を知ったのは、シンコーから出てたパープル本のジョン・ロードの項だけど、実際に音を聞くようになったのはずいぶん後。パープル関係のアルバムで、一番好きなのはPAL、という変わったファンなんで、アシュトンの小型ジョー・コッカー的な歌声はなじんでたのだけど、六本木の今はなきWAVEで、アシュトン、ガードナー+ダイクの2枚目「The Worst Of」のCD(当時は独レパートワーがかなりがんばっていた)が並んでるのを見て、一瞬震えたことを覚えている。いやいや特にジョン・ロードの音楽に理解があるわけでなく、むしろロードのクラシック趣味の作品なんてまったく興味がないけど、本をなめるように見て、想像し倒した音が聞けるとなると、コーフンせざるを得ない。
さて、ジョージ・ハリスンエリック・クラプトンが変名で参加した"I’m Your Spiritual Breadman”のことが語られるくらいで、アシュトンに関する評価って今も昔もかわらない気がする。UKスワンプと呼ぶには、音楽的に大衆的過ぎるし、ホーンセクションを導入したビッグ・バンド・ロックに近いものがある。この2枚目は、ヒット曲はないが、コンパクトにまとまっている。アシュトンが弾くpianoとorganは特徴的ではないが、そのしゃがれ声をうまくサポート。このLet It Rollは、チキン・シャックのスタン・ウエッブ(g)、ジム・プライス(tp)が参加。アシュトンならではのファンク(という言葉はなかったが、まだ)なのかも。70年のキャピトルからのリリース。この3人は、60'sにはリモ・フォーと名乗っていたが、単なるビートバンドでなく、モーズ・アリソンやジャック・マクダフをカヴァーする独特のセンスがあった。ガードナーはロン・ウッドのブリティッシュ・バーズにも在籍。